先ほど、高校受験用の塾の重要性が高まっていると述べましたが、実は、最近の公立の高校受験の激しさはほとんど変わっていません。むしろ今の社会人が高校受験をしていたときの方が、場所によっては公立の高校受験の方が激しい競争となっていたことさえあります。入学試験の問題も難しさはほぼ変わらず、変わったことと言えば、総合的学習を重視した問題が増えてきているくらいです。例外はありますが、基本的に公立の高校は最近の方が入学しやすいとさえ言えます。例外となる高校では、その高校独特の問題を出すようになりました。この問題は、通常の教科書の勉強ではなかなか正解するのが難しく、それが試験の難易度を上げています。そのため、公立の高校では、入学試験が極端に難しい学校と簡単な学校の二つに分かれる兆候が現われています。
高校受験用の塾の重要性が高まっているのは、主に公立高校よりも私立高校の人気上昇によって競争が激化しているからで、そこまで公立高校は関係してないとも言えます。不景気になると公立の高校の人気が上昇する傾向にありますが、首都圏内では基本的に公立の高校の人気は落ちてしまっているのが現状です。
公立高校の入試にはどのような問題が出るのかというと、基本的に学校の授業で習ったところばかりです。しかし、ゆとり教育実施の影響で教科書は未だに薄いものであるといえます。そのため、実際の試験問題と教科書で難易度の差が生まれていて、普通に教科書の勉強だけをして、難関公立高校に合格するのはきわめて難しいと言えるでしょう。
そのため、大学の入学試験に目を向けたとき、有利な進学共立校に入学したいのならば塾に行かなければ難しい状態です。一般的な公立を目指す場合も、生徒一人の勉強では物足りないものとなってしまうので、そういう子供たちも部活をやりながらという形で塾に通うケースが増えています。